マック もらい泣き 0円 (うそ日記) | からっぽの頭で考える

マック もらい泣き 0円 (うそ日記)

今日さ、マック行ったんだよね。

無性にトマトチキンフィレオが食いたくなってさ。

たまにあるでしょ? マック症候群ってやつ・・・

だからオイラね、いそいそ行ったわけよ。

まぁ~くどなぁ~るど!って唄いながらだよ。音痴だけどさ。

平日だっちゅうのにさ、結構、混んでるのよ。これがね。

食うもん決まってんだけど、一応、メニューなんか見ちゃってさ。

なんか、昼マックしている自分が少し格好良く思えたりしちゃうじゃん。

素朴なしあわせだよ。自己満の世界ってやつね。

ちょいアメリカンじゃん。

そんでさ、並んでたわけよ。

レジが4つほどあってね、俺は7番目あたりかな・・・・

「はやくせぇ~~~よ~~」なんて思ってた時にだよ。



「すいません!もらい泣きひとつ」って声が聞こえたんだ。














「・・・・・・・は?」って、驚いたのは俺だよ。
        不思議な言葉じゃん。なにそれ? でしょ?


そしたらさ、店員がさ














「かしこまりました。もらい泣きひとつでございますね」だってさ。




あたくし、目を疑ったよ。もちろん耳も疑ったさ。

でもさ、しっかり書いてあるんだよね。

スマイル0円の下に
もらい泣き0円ってさ・・・・・・・・・・・・・

いつから始まったサービスなんだ?????

そんな動揺に駆られてたらさ

注文したオバチャンが泣いてんじゃん!!

「おいおいおいおいおい!」それを見て店員も泣き出したよ。


「まてまてまてまて」

「すいません!僕ももらい泣きひとつ」隣の高校生の客

ONEもらい泣き入りま~す」赤毛のバイトギャル

「おい、どうなってんだよ!
     ここはマックだろ・・・・・・・・・・」
キョドるあたくし

実は私ももらい泣き貰えませんか?」いかにもリストラされたおっさん。

「もちろんですよ。お客様・・・・・・・・・・」年季が入ったパートのオバチャン!


完全にこのマックはもらい泣き症候群の客でごった返している。


「しくしくしく」「えんえんえん」「わーわーわー」

至る所で、泣いている客と店員。

「おい!何、手を止めてんだよ!バーガー作れよ!」
          いい加減、頭きたから言ってやったすよ。

無情にもあたくしの声はかき消された・・・・・・・・・・・

だんだん頭がおかしくなってきたあたくし。

店中にこんな声が飛び交っているんだもん。


「・・・ダブルマックバーガーがおふたつ・・・」

「・・・俺なんて、死んじゃえばいいんだよ・・・」

「・・・ご注文を繰り返させて頂きます・・・」

「・・・20年もあの人について行ったのよ!・・・」

「・・・彼女がヒロシとできてるって聞いたのは・・・・」

「・・・どうやって返していけばいいのよ、そんな大金・・・」

「・・・デザートにシェイクはいかがですか?・・・」

「・・・妻には、まだ言ってないんです・・・」

「・・・店長、1万円入ります・・・」

「・・・部活やめようかと思ってて・・・」

「・・・ペットのランちゃんが・・・・」



帰ったよ。俺の昼マックはテンション下げ気味で終わったさ。

もらい泣き0円は俺だよ。俺が泣きたいよ。